ANYCUBIC MEGA Proで、出力物がスカスカになる不具合が発生しました。
具体的な症状につきましては、パート①の記事をご参照ください。
パート①では出力物がスカスカになる不具合の原因は、
印刷中にノズルが詰まるようなことが起きているのではないかと推測していました。
本記事では、何が原因で不具合が起きていたのかを特定し、不具合の解決を図りました。
同じような症状を抱えている方の参考になれば幸いです。
※文字多めです。
結論
結論から先に記載します。
原因は以下の2点でした。
・ベッドヒーターをOFFにした状態でのレベリング
・ベッドの平面が上凸になっている
原因に対して以下の解決方法を取ることで、無事に印刷ができました。
・レベリングはベッドヒーターをONにした状態でベッドの真ん中で行う
・印刷範囲を狭める(ベッドの真ん中あたりで印刷する)
以降に詳細な内容を記載します。
原因の特定
パート①で記載した通り、フィラメント挿入時に詰まることはないのに、印刷を始めるとノズルが詰まってしまうことから、そこに原因のポイントがあると考えられます。
機種:ANYCUBIC MEGA Pro
2つの条件の違いを考える
・フィラメント挿入時
・印刷時
この2つの条件の違いを以下に示します。※ANYCUBIC MEGA Proの場合
条件 | ベッドヒーター | ノズル高さ |
フィラメント挿入時 | OFF | 任意 |
印刷時 | ON | レベリング高さ(0.1mm程度) |
他にもあるかもしれませんが、今回は原因と関係のあるものをピックアップしました。
上の表からわかることは、印刷時はフィラメントの挿入時とは違って、
ベッドとノズルの距離が非常に近いということです。
レベリング
ANYCUBIC MEGA Proのレベリングは、
0.1mm程度の厚さの紙をベッドとノズルの間に挟んでノズル高さを調整します。
このとき、ANYCUBIC MEGA ProではベッドヒーターがOFFになっています。
つまり、印刷時にはベッドヒーターがONになっているためベッドが熱膨張し、
レベリングしたときから更にベッドとノズルの距離が近くなってしまいます。
ベッドの材質がアルミだとして、ベッドは60℃に温まるので10μm単位で膨張します。
ベッドが熱膨張し、ノズルを蓋するような状態になってしまうことで、
フィラメントが送られなくなりスカスカになったと考えられます。
実際にノズル清掃時に除去したカスの形状がうねっていることから、
フィラメントが送り出せなくなったことで、
ノズルの僅かなスペースを埋めるように詰まったことがわかります。
取り除くのが非常に大変でした…
ベッド平面度
ベッドの熱膨張を考慮してレベリングをする、具体的にはベッドヒーターをONにした状態で
レベリングをすれば解決すると思ったのですが、他にもスカスカになる原因がありました。
レベリングはベッドの四隅で行うため、ベッドの平面が上凸になっている場合、
四隅で合わせても真ん中あたりでベッドとノズルの距離が近くなりすぎてしまいます。
実際にレベリング後にノズルを真ん中あたりに移動させたときに、ノズルがベッドと擦れていました。
真ん中に合わせて調整した場合、今度は四隅でベッドとノズルの距離が遠くなりすぎてしまい、
印刷の品質が下がってしまいました。
解決方法
以下に示す方法で解決を図りました。
・レベリングはベッドヒーターをONにした状態でベッドの真ん中で行う
・印刷範囲を狭める(ベッドの真ん中あたりで印刷する)
これらの方法を実践した結果、
無事きれいに印刷できました。
まとめ
原因は以下の2点でした。
・ベッドヒーターをOFFにした状態でのレベリング
・ベッドの平面が上凸になっている
原因に対して以下の解決方法を取ることで、無事に印刷ができました。
・レベリングはベッドヒーターをONにした状態でベッドの真ん中で行う
・印刷範囲を狭める(ベッドの真ん中あたりで印刷する)
根本的に解決する場合、ベッドの平面がなだらかになるように矯正すればよいのですが、
正直手間なのでそこまでしていないです。
大きいものが印刷できないので、ものづくりの効率が下がってしまうのが残念です。
同じお悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。
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