3次元CAD利用技術者試験2級に挑戦しようと考えている方、または少し気になっている方へ向けて、試験の概要や勉強方法などをまとめて紹介します。
これから受験を検討している方の参考になれば幸いです。

3次元CAD利用技術者試験2級とは
3次元CAD利用技術者試験2級は、3次元CADの基本的な知識や運用能力を証明する民間資格です。
機械系・製造系のモデリングや設計、製図などの業務を目指す方だけでなく、関連業務や営業、管理職を目指す方にもおすすめの資格です。受験資格に制限はなく、誰でもチャレンジできます。
試験はCBT(Computer Based Testing)形式の筆記試験で、60分間で60問が出題されます。
合格基準は「各分野で5割以上、かつ総合で7割以上の正答率」となっています。
受験料は7,700円(税込)です。
試験範囲と出題内容
2級試験では、以下のような幅広い知識が問われます。
- 3次元CADの概念
3次元CADとは、3次元の活用、3次元CADの歴史、3次元モデルのデータ構造、3次元モデルの構成、表示技術 - 3次元CADの機能と実用的モデリング手法
3次元CADによる設計、モデリング機能、実用化の事例、複合化したコマンド、検査・計測・解析の方法、モデリング手法、アセンブリモデリング、実用上の注意点 - 3次元CADデータの管理と周辺知識
プロジェクト管理、PDM、コンピュータシステムの構成、CADとネットワーク知識、情報セキュリティ - 3次元CADデータの活用
CAE、CAM、CAT、CG、3Dプリンター、DMU、コラボレーション、3次元CADデータの応用
実技試験はなく、知識問題が中心となります。
勉強方法と合格のコツ
勉強方法としては、まずは公式ガイドブックを購入することをオススメします。
公式ガイドブックに記載されている内容から問題は出題されるため、この本の内容を理解したうえで覚えることが重要になります。
毎年ガイドブックは販売されているので、基本的にはその年のガイドブックを購入すればよいでしょう。
公式ガイドブックにはサンプル問題があるため、サンプル問題を答えることができるようになっておけば試験への合格がグッと近づきます。

私が受講したのは2023年なので、2023年と2022年のガイドブックを購入して勉強していました。2022年版も購入したのはサンプル問題を増やすためです。書いてある内容はほとんど変わっていませんでしたが、サンプル問題の内容は違っていました。
最低限その年のガイドブックを購入することをオススメしますが、問題の傾向を知るためと自分の理解度を高めるために、2冊以上購入してサンプル問題を答えることができるようになっておくとより合格しやすくなると思います。
合格率から見る難易度と対策
3次元CAD利用技術者試験2級の合格率は、例年おおよそ50~70%前後で推移しています。つまり、受験者の半数以上が合格している計算となりますが、誰でも簡単に合格できるというわけではありません。合格率の数字からは「しっかり対策すれば十分合格が狙えるが、油断すると落ちてしまう」レベルの難易度であることが読み取れます。
合格率が高すぎない理由として、試験範囲が広いことが挙げられます。3次元CADの操作やモデリングの知識だけでなく、コンピュータやネットワーク、情報セキュリティ、知的財産権といった周辺知識も問われるため、普段の業務でCADを使っている方でも油断は禁物です。特に、CAD以外の分野で苦戦する受験者が多い傾向があります。
また、CBT形式で行われるため、パソコン操作に不慣れな方は、事前に模擬試験やサンプル問題で操作感を掴んでおくことも大切です。
合格率を上げるためには、やはり「サンプル問題を繰り返し解く」ことが最も効果的です。サンプル問題を通して出題傾向や頻出問題を把握し、自分の苦手分野を重点的に復習しましょう。公式ガイドブックで基礎知識を固めつつ、間違えた問題は必ず解説を読み、理解を深めていくことが合格への近道です。
合格率から見ても、「しっかり準備すれば合格できる」試験なので、焦らず着実に対策を進めていきましょう。
まとめ
3次元CAD利用技術者試験2級は、準1級・1級へのステップアップの必須資格であり、CAD関連の業務やスキルアップに役立ちます。
また、実務で活かせる基礎知識を身につける良い機会です。公式ガイドブックで全体像をつかみ、サンプル問題を繰り返し解くことで合格に近づけます。
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