私はサコッシュを好んで身に着けてることが多いのですが、家に置き場がなく、外した後は床上に雑に置いていました。
そんな状況を打破するために、3Dプリンターでバッグハンガーを自作しました。
本記事では、バッグハンガーの3Dプリンターを使った製作方法について紹介します。
- 3Dプリンターで自作したバッグハンガーの完成形とその特徴
- バッグハンガーの製作過程
- 設計の工夫と検討事項
製作したバッグハンガー
製作したバッグハンガーがこちらになります。
自作した棚に挟んで引っ掛けられるような形状にしてます。
バッグハンガーにカバンを引っ掛けた際に、カバンと棚が擦れないようになっています。

製作過程
バッグハンガーの製作に使用したツールは下記の3点です。
- 3DCADソフト:SolidWorks(個人用のライセンス)
- 3Dプリンター:Anycubic社製
- スライサーソフト:UltiMaker Cura
それぞれの工程の詳細については以下に記します。
SolidWorksの個人用ライセンスの取得方法についてはこちらの記事で紹介しています。
参考にしたバッグハンガー
バッグハンガーは市場に多く出回っており、中でも無印良品のバッグハンガーを参考にしました。

市場にあるものを参考にして、「なぜこんな形状なんだろう?」「どうしてここが動くのだろう?」といったことを考えながら作るのも楽しいです。
[無印良品バッグハンガーの設計思想] ※推測
- 形状:S字は机の下にカバンを入れるための形状
カバンを引っ掛けたときに、ハンガーが落ちないようにしている - 先端の鉤爪:カバンを掛けたときに、カバンが落ちないようにするため
- 回転機能:トラベル用の商品なので、コンパクトに収納できるようにしている
3DCADでモデリング
無印良品のバッグハンガーを参考に、SolidWorksで下図のようにモデリングしました。

[参考にしたバッグハンガーとの比較]
- 形状:棚の板に挟んで引っ掛ける用にコの字形状にしている
今回の用途ではカバンをバッグハンガーにかけたときに、カバンと棚が擦れないようするため - 先端の鉤爪:カバンが棚と擦れないように、前に伸ばして鉤爪を設けている
鉤爪があることでカバンの保持力が向上する他、鉤爪にカバンをかけることで棚との擦れを確実に防ぐことができる(カバンの位置が決まるため) - 回転機能:今回の用途では必要なし
コの字形状の幅は、挟むところの厚さより1mm程度大きくします。
1mm程度大きくすることで、バッグハンガーにカバンをかけたときに、バッグハンガーがカバンの重さで傾いてカバンと棚が擦れるのを防ぐことができます。
S字形状はカバンをかけても重心が真ん中辺りにあるため、カバンをかけても重さで傾きにくくなっています。しかしS字形状はカバンが机の天板の下に入り込むような姿勢になります。棚との擦れを気にしなくていい場合は、S字形状にするのも有効です。
3Dプリンターで出力
SolidWorksでモデリング後、3Dプリンターで出力するまでの工程は以下の通りです。
① モデリングしたファイルをSTLデータに変換する。
② UltiMaker Curaに変換したSTLデータを取り込む。
③ UltiMaker Curaのスライス設定を確認したのち、スライスする。
レイヤー高さ:0.3mm
インフィル密度:30%
④ 3Dプリンターにデータを送って出力する。
重いカバンを掛ける想定をしている場合は、バックハンガーの強度を上げるためにインフィル密度を大きくしましょう。
上記手順で実際に出力したものがこちらです。


少しフィラメントの焦げが入ってしまいました…
まとめ
机や棚などにカバンを引っ掛けることを可能にする便利グッズ、『バッグハンガー』を作ってみました。STLデータが欲しい方は問い合わせページからお問い合わせください。
今まで床の上に適当に置いていたカバンたちを整理できそうです。バッグハンガー自作の参考になれば幸いです。
その他の日常で使える実用的な自作作品についてはこちらの記事をご参照ください。





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