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上下方向の動きを回転運動に変換する「からくり構造」を3Dプリンターで作ってみた

自作

以前、こちらの記事でダイソーの回転式ほこり取りの構造を解説しました。

上下方向の動きを回転運動に変換するからくり構造で、動力源を使わずにシンプルな構造でほこり取り部分を回転させる機能を実現していました。構造の解説にあたって、3Dプリンターで製作したからくり構造の模型を使用しました。

本記事では、3Dプリンターで製作したからくり構造の模型の製作過程を紹介します。

この記事を書いた人
  • 経歴: 高専(機械)→大学(機械)→メーカー就職(2020年~)
  • 現在の仕事: 機構・外装設計、板金設計
  • 使用ツール: SOLIDWORKS(学生時代から愛用)
  • 趣味: 3DプリンターでのDIY
この記事を読んでわかること
  • 上下方向の動きを回転運動に変換する「からくり構造」の製作過程
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上下方向の動きを回転運動に変換する「からくり構造」

3Dプリンターで製作した上下方向の動きを回転運動に変換するからくり構造です。

スライドベースを下げることで、回転パーツの回転を抑えている柱が外れます。抑えがなくなったことで、回転パーツは回転して柱の頭上に位置します。スライドベースにはばねがついているため、スライドベースは元の位置に戻ろうとします。

元の位置に戻ろうとするときに、柱は頭上の回転パーツの傾斜部分を押し上げ、回転パーツは傾斜に沿って回転します。

製作物

からくり構造の製作工程

からくり構造の製作に使用したツールは下記の3点です。

  • 3DCADソフト:SolidWorks(個人用のライセンス)
  • 3Dプリンター:Anycubic mega pro
  • スライサーソフト:UltiMaker Cura

製作工程の詳細については以下に記します。

SolidWorksの個人用アカウントについては、こちらの記事で紹介しています。

使用したばね

ホームセンターDCMで売っていたこちらのばねを使用します。ミスミで探したばねとは若干仕様が異なるので、使用するばねに合わせて3Dモデルを作成します。

土台から出ている芯にばねを通すのですが、芯が細いとスライドベースを下げたときに折れるおそれがあったため、芯にはある程度の太さが必要です。スライドベースを下げたときに、スライドベースと芯が接触すると芯にはせん断方向の力がかかります。土台の3Dプリントの向き的に、芯はせん断方向の力に弱いため、芯はある程度太くする必要があります。太くしすぎても今度は対応するばねが無くなるため、バランスが大事です。

スライドベースの下がり量は、ばねの許容たわみ量内に収まるようにします。

土台
ばね
ミスミで探したばね

SOLIDWORKSでモデリング

アセンブリモデル

SOLIDWORKSで設計したアセンブリモデルです。スライドベースの最下点に、「エンベロープ」でスライドベースの3Dモデルを入れています。

スライドベースが最下点に位置したときに、回転パーツから柱が外れていることを確認します。また、回転パーツ①の長さが、スライドベースの下がり量②よりも小さくなっている必要があります(① < ②)。この関係が成り立っていないと、スライドベースを下げたときに、柱が回転パーツから外れないためです。

アセンブリモデル
柱が回転パーツから外れていることを確認
エンベロープとは

3Dモデル内の計算には使用されない参照用の部品のこと。アセンブリの中で「そこに何があるか」は示したいけれど、重さや部品表(BOM)には含めたくないときに使用します。

回転パーツの傾斜部分

本構造の肝となる回転パーツの傾斜部分ですが、スライドベースの下がり量②に対して、傾斜の高低差③は小さくなるようにします(② > ③)。この関係が成り立っていないと、スライドベースが元の位置に戻っても、柱の突き上げが傾斜の途中で終わってしまい、回転パーツが回転しきれなくなってしまいます。

回転パーツの傾斜は、「ロフトカット」を使って作成しました。

スライドベースの下がり量②>斜面の高低差③
回転パーツ

回転パーツが自重で回転するようにする

回転パーツの回転を抑えている柱が外れたときに、回転パーツは自重で回転しています。回転パーツから出ている脚は傾斜(下図矢印)に乗っているため、常に自重で回転しようとしています。

回転パーツの脚が傾斜(下図矢印)に乗っている状態で、柱で回転パーツを抑えるようにしましょう。

回転パーツが自重で回転する仕組み

3Dプリンターで印刷

SolidWorksでモデリング後、Anycubic mega proで出力するまでの工程は以下の通りです。

  1. モデリングしたファイルをSTLデータに変換する。
  2. 変換したSTLデータをUltiMaker Curaに取り込む。
  3. UltiMaker Curaのスライス設定を確認したのち、3Dプリンター用の印刷データを作成する。
    レイヤー高さ:0.2mm
    インフィル密度
     スライドベース、回転パーツ、ばねを入れる土台:80%(強度が欲しいため)
     その他:25%
  4. Anycubic mega proにUltiMaker Curaで作成した印刷データを送って出力する。

使用したフィラメントは以下です。

組み立てて完成

印刷した部品を組み立てます。下図の赤線で繋がっているところは接着剤で固定します。下図の3Dモデルにはばねが入っていませんが、最初にばねを入れ忘れないようにしましょう。接着剤で固定後はばねを入れることができなくなるためです。

まとめ

本記事では、以下の記事で使用した上下方向の動きを回転運動に変換する「からくり構造」の製作過程を紹介しました。

その他の構造の仕組みについて解説した記事をご紹介します。

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