SOLIDWORKSの「干渉認識」機能は、アセンブリ(複数の部品を組み合わせたモデル)内で部品同士が重なってしまっていないか、つまり「干渉」していないかを自動で調べてくれる便利なツールです。
設計のミスや組み立て時のトラブルを未然に防ぐため、3D CAD設計では欠かせない機能の1つです。
干渉認識機能の基本操作
- 干渉認識コマンドの起動
SOLIDWORKSのアセンブリを開いた状態で、「評価」タブから「干渉認識」をクリックします。 - 対象部品の選択
チェックしたい部品やアセンブリ全体を選びます。特定の部品だけを選んで干渉を調べることも可能です。 - 計算の実行
「計算」ボタンを押すと、干渉している箇所が自動でリストアップされます。どの部品同士が干渉しているか、また干渉している体積(どれくらい重なっているか)も表示されます。 - 結果の確認
干渉箇所を選択すると、画面上でその部分が赤くハイライトされるので、どこが問題なのかすぐに分かります。





便利なオプション
- 部品ごとの干渉表示
干渉箇所を部品ごとにまとめて表示できるので、どの部品に問題が多いか一目で分かります。 - ファスナーフォルダー
ボルトやナットなど、設計上問題のない干渉(例えばネジ山の重なり)は「ファスナーフォルダー」にまとめて表示できます。これにより、本当に確認すべき干渉だけに集中できます。 - 透明表示
干渉している部品を透明に表示することで、内部の干渉箇所も見やすくなります。 - 除外設定
一時的に無視したい部品や、チェック対象外にしたい部品を除外リストに加えることもできます。
動かしながらの干渉チェック
部品を動かしたときに干渉するかどうかを調べたい場合は、「構成部品移動」コマンドの「衝突検知」オプションを使います。

部品をドラッグして動かすと、ぶつかった瞬間に停止してくれるので、動作時の干渉も簡単に確認できます。


まとめ
SOLIDWORKSの「干渉認識」機能は、初心者でも簡単に使えるうえ、設計ミスを防ぐための強力なツールです。まずは基本操作から始めて、便利なオプションや表示方法も少しずつ覚えていきましょう。
使用するタイミングとしては、設計の最終段階だけでなく、設計途中でもこまめに実行することをおすすめします。
特に複雑なアセンブリや初めて扱う部品がある場合は、部分ごとに干渉チェックを行うと効率的です。
ボルトやナット、ねじ山などは設計上干渉があっても問題ない場合が多いので、ファスナーフォルダーや一致するねじ山フォルダーを活用しましょう。
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