PC作業やSolidWorksなどの3DCADを使っていると、一日中マウスを握りっぱなしですよね。便利なショートカットキーを駆使して作業効率を上げるのはもちろん重要ですが、それでも解決できないのが「手首や肩の慢性的な疲れ」です。
手首の疲労感やマウス操作の億劫さを感じているなら、「トラックボールマウス」への乗り換え時かもしれません。今回は、トラックボールマウスがなぜCAD作業に最適なのか、そして私が実際に使用している『Logicool / ERGO M575S』を紹介します。
目次
なぜCAD作業にトラックボールマウスなのか?
一般的なマウスと違い、本体を動かさずにボールを転がしてカーソルを操作するトラックボールマウス。一見使いにくそうに見えますが、一度慣れると「もう普通のマウスには戻れない」という人が続出します。その理由は大きく3つあります。
手首と腕の負担が激減する(腱鞘炎対策)
通常のマウスは腕全体や手首を使って動かしますが、トラックボールマウスは「親指(または人差し指)」しか動かしません。手首を固定したまま操作できるため、長時間のモデリング作業でも疲労度が段違いです。
マウスを動かすスペースが不要
CAD作業では図面や資料でデスクが埋まりがち。トラックボールマウスなら本体を置くスペースさえあればOK。マウスパッドの端でカーソルが止まってしまい、マウスを持ち上げ直す……というあのストレスから解放されます。


私のデスクの雑然さが伝わるかわかりませんが、参考までに写せる範囲で…
精密な操作とショートカットの相性が良い
ボール操作は「微調整」が得意です。また、多ボタン搭載の上位モデルを選べば、よく使うSolidWorksのショートカットをマウスに割り当てることができ、「左手はキーボード、右手はマウスから一切離さない」という爆速スタイルが完成します。
solidworksのショートカットキーの設定方法はこちら。
私が『Logicool ERGO M575S』を選んだ5つの理由
トラックボールマウスには上位機種(MX ERGOなど)もありますが、私はこの『M575S』を愛用しています。その理由は、「Logicoolブランドの安心感」と「圧倒的なコスパ」にあります。
違和感なく移行できる「絶妙な握り心地」
M575Sは、人間工学(エルゴノミクス)に基づいたデザインで、手を乗せた瞬間に自然とフィットします。 親指の位置に自然とボールが来るので、直感的に操作できます。
オフィスでも安心の「静音クリック」(M575Sの特徴)
旧モデル(M575)からの大きな進化点が「静音化」です。 CAD作業中はクリック回数が膨大になります。「カチカチ」という音が静かな設計室やオフィスで響くのは気が引けますが、M575Sは「コト、コト」という上品で静かな感触。集中力を削ぐことなく、周囲への配慮もバッチリです。
乾電池式という「安心感」と「スタミナ」
充電式も便利ですが、作業中にバッテリーが切れてケーブルを繋ぐのはストレスです。 M575Sは単三電池1本で最長18ヶ月も持ちます(使用状況による)。「充電しなきゃ」という思考ノイズから解放されるのは、地味ながら大きなメリットです。

「Logicool(ロジクール)」への信頼性
PC周辺機器の老舗であるLogicoolは、マウスやキーボードで圧倒的なシェアと実績を誇ります。その品質の高さ、専用ソフトウェアの使いやすさ、そして万が一の故障時のサポート体制を考えると、やはり信頼できるブランドを選びたいものです。
数あるトラックボールの中でも、安心して長く使えるという点でLogicool製品は魅力的でした。
SolidWorksが劇的に速くなる「3つのカスタマイズ可能ボタン」
左右のメインボタンに加え、3つのボタン(ホイールクリック、進む、戻る)に自由に機能を割り当てられるのがM575Sの最大の魅力です。

付属のLogi Options+ソフトウェアを使えば、SolidWorksで頻繁に使うショートカットを3つのボタンに割り当てることが可能。これにより、キーボードとマウスの間で手を動かす回数が激減し、モデリングスピードが飛躍的に向上します。このカスタマイズ性が、まさにCAD作業の生産性を高める決定打でした。
下図のようにSキーを割り当てておけば、キーボードでSを打たなくてもマウスからショートカットバーにアクセスすることができます。



solidworksのショートカットキーの設定方法はこちら。
注意点
ここまでM575Sの魅力を語ってきましたが、一つだけ注意点をお伝えしなければなりません。それは、「操作に慣れるまでには、少しだけ時間がかかる」ということです。
私自身、導入初日は「あれ?思ったところにカーソルが止まらない!」「細かい操作が難しい…」と感じ、正直なところ「失敗したかな?」と不安になりました。これまでのマウス操作とはまったく異なる感覚なので、戸惑うのは当然です。
しかし、ここで諦めてはいけません。私の場合は約1日で基本的な操作に慣れ始めました。個人差はあると思いますが、数日使い続ければ必ず慣れます。
この「慣れるまでの期間」は、トラックボールマウスを使う上で誰もが通る道です。焦らず、騙されたと思って数日間使い続けてみてください。その「数日間の我慢」の先に待っているのは、「手首の痛みから解放された快適なCADライフ」と「マウスを動かすストレスゼロの集中環境」です。
まとめ
数千円(セール時ならさらにお得!)の投資で、日々の手首の痛みから解放され、作業効率も上がるなら、これほどコスパの良い投資はありません。
もし今のマウスに少しでも不満があるなら、ぜひ私と同じ『ERGO M575S』の世界を体験してみてください。


コメント